アーモロートとプラトン

※この記事はパッチ5.0漆黒のヴィランズのネタバレを含みます。

アーモロートの街並みは壮麗で美しく、
高い塔のさらに上、遥かな空から日差しと風が注いでいた。

かつて古代人が築いた文明の首都「アーモロート」

そこに住まう人々は完全なる生命体であり、永遠に近い寿命を生きていた。



イデア論

哲学者プラトンが唱えるイデア論をご存知でしょうか

イデア論では、完全な真実の世界を「イデアの世界」と呼ぶ。そこには様々なイデアが存在します。

 

有象無象問わず、あらゆるイデアは原初世界に生きる人間ら生物が物事を認識するのことに影響を与えています。

例えば、次の図形の形は「三角形」です。

正三角形爆誕

ではこれはどうでしょうか。

これも「三角形」です。

図形の形は異なるのに、人間はこれらを「三角形」と認識することができます。

それはイデアの世界に「完全なる三角形のイデア」が存在するため、というのがイデア論です。

創造魔法

真なる世界では、人々は創造魔法を用いて「イデア」を創り出します。

各々が創り出したイデアは創造物管理局に持ち寄り、そこへ登録することで誰でも引き出し利用することが可能となります。

登録には管理局の承認が必要。危険なものや制御の効かないものがイデアとして登録されるのを避けるためです。

アーモロートの街でも、恐らく登録の承認が降りないであろう創造物を垣間見ることができ、危険なイデアが生み出されること自体はそう珍しくないことが伺えます。

アーモロート

かつて古代人が築いた文明の首都「アーモロート」

真なる人は頑強な魂を持ち、ほとんど永遠の時を生きられた。
だから、余裕のなさから生じる、さもしい争いをしなかった。
ときに異なる意見を持ったとしても、同じ分だけ認め合えた。
アーモロートの街並みは壮麗で美しく、
高い塔のさらに上、遥かな空から日差しと風が注いでいた。

 

「いい世界だったんだ。穏やかで、朗らかで…」

漆黒のヴィランズ最終エリア「テンペスト」に創造された古代都市アーモロート。

旅路でエメトセルクが語った言葉を思い返すと、悲しみや寂しさを感じます。

それは終末を迎える前の最後の日を創造したものであり、エメトセルクが最後に見た故郷です。

創造・イデア・古代人…それらを目の当たりにして、私は哲学者プラトンのイデア論を思い出しました。

 

同じく哲学者であるトマス・モアの著書に「ユートピア」があります。

ユートピアとは、その著書に登場する架空の国家であり、その首都が「アーモロート」です。

一般的にユートピアは理想郷と揶揄されます。漆黒のヴィランズで登場したユールモアはまさに第一世界の理想郷であり、その都市名はユートピア+トマス・モアに由来する造語ではないかと私は考えます。

ユートピアでは人々は集団生活を送っており、ラッパの合図で一斉に食事をします。私有財産は禁止され、貨幣もないため、必要なものがある時は共同の貯蔵庫のものを使います。しかし、実際には着用する衣類や食事、就寝の時間割まで細かく規定され、市民は安全を守るため相互に監視し合い、社会になじめない者は奴隷とされてしまいます。

トマス・モアは、この社会は理想的であるため住民は何の苦悩も持っていないとしていますが、現代社会の視点から見れば、このような社会環境に全ての人間が満足できるとは考えられないという見方もあリます。非人間的な管理社会の色彩が強いため、現在の視点から見れば、理想郷としながらディストピア(逆理想郷)の側面も持つようにも見受けられます。

長々と書きましたが、ユーラモアとアーモロートはユートピアやイデア論に強くインスピレーションを受けたというか、踏襲しているようです。

古代人と原初世界の人

古代人はエメトセルクの言うところでは完全なる生命体とのこと。

14に分かたれた世界の人は、完全なる生命体である古代人と比較すると1/14の人といったところです。

ただし、これは第1世界〜第13世界の人を指し、主人公たちの生きる原初世界は特殊です。

原初世界ではこれまで7度の霊災が起こりました。霊災はアシエンによって手引きされていたことは4.x時代でも判明したことではありますが、4.x終盤から5.0にかけてその目的が語られました。

アシエンたちが生きた完全なる世界を取り戻すべく、分かたれた世界を全て原初世界へ統合することです。

このことから、すでに主人公含め原初世界の人は7度の統合を経験しており、古代人比較でいうと8/14ということになります。

過去の物語で、霊災を契機に超える力を発現する人が増えてきたという描写があります。

これは原初世界の人が古代人に近づいたことによる副作用的なものと考えられます。

つまり、世界統合により原初世界の人が古代人の能力を習得しているとするならば、アシエンもまた過去視が可能と考えられます。

ヒカセンに至ってはアルバートの魂と統合を果たしたので、他の原初世界の人に先んじて9/14の古代人です。そろそろ目からビームとか出るんじゃなかろうか

まあ半分冗談ですが、今後のストーリーでヒカセンが新しい能力に目覚める可能性もなきにしもあらず、ではないかということです。

アーモロートを襲った終末

話を少し戻します。

全ての元凶とも言える、アーモロートを襲った終末とは一体何なのでしょうか。

元々は各地で厄災が発生しており、それが遂に首都アーモロートを襲いました。その様子は5.0最終ダンジョンで追体験することになります。

星の理は、唐突に乱れ、ほつれていく……
創世に用いられてきた術もまた、暴走して獣を生んだ……
祈りが蛮神を生むように……人の恐怖が、獣に転じる……

終末の襲来により、創造魔法の制御が効かなくなり、厄災がさらなる厄災を呼ぶ事態に発展している状況です。

前述の通り、創造魔法により危険なものを生み出してしまうこと自体はそう珍しくなかったようです。もしかすると、この厄災も最初は些細なものだったのかもしれません。

私の理解では、ちょっとした危険に対抗するために創造魔法を使う、ということを繰り返した結果が、あのアーモロートを襲った終末と考えます。

古代人は本当に完全だったのか

最後の獣は、絶望の底から現れた……
その言葉は破滅の光、逃げ惑うことしかできない……
迫りくる最後の獣を見て、人はついに思い知る……
途方もない犠牲を払わねば、もはや星は救えない、と

そして古代人は更なる創造魔法を以ってして、この終末を鎮めようとします。戒律王ゾディアークの召喚基、創造です。

結果としては終末に事態の収拾をつけることには成功しました。しかし、それには多大な犠牲を払う必要がありました。

召喚の際の贄だけにとどまらず、その存在を維持するためにも様々な犠牲を必要とするため、古代人はゾディアークの枷となる存在「ハイデリン」を生み出します。またしても創造魔法で

そして件のハイデリンキックにより、今の14に分かたれた世界となるわけです。

古代人は自分たちの抱える問題に創造魔法で対抗してきましたが、その創造魔法が次なる厄災を生み出しているといっても過言ではありません。

FF14メインストーリーはどこに向かうのか

ではハイデリンキックにより、その負の連鎖に終止符を打つことができるのか、と思うかもしれませんが難しいでしょう。

分かたれた人々もまた、光や闇の氾濫を起こしているためです。属性の氾濫はアシエンによって図られた側面もありますが、遅かれ早かれ氾濫は起こる可能性はあると考えられます。

これが光と闇の2属性だけならまだしも、どうやらその他の属性の氾濫も起こっていることが5.0メインストーリーからもわかります。ゾディアークとハイデリンの因縁に決着がついたとしても、他の属性で氾濫が起こる可能性があるのです。

こういう謎が残った形でメインストーリーが区切られてしまうと、どうしても物語の着地点を探してしまいがちです。

ただ、FF14はオンラインゲームであり、当然サービス終了の予定なんてないです。おそらくこのハイデリンキックにより分かたれた世界問題はずっと付き合っていくことになるのでしょう。

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