つい先日、4月15日にリリースされたラストクラウディア。(以下ラスクラ)
ドットゲーには目が無いので、事前登録として公式ツイッターをフォローしていたものの、どんなゲームかはあまり把握していませんでした。もしかすると公式放送やメディアから何かしら情報が出ていたのかもしれませんが、いざリリースされ蓋を開けてみるととんでもない周回ゲーでした。
ソシャゲといえば周回は付き物ではありますが、ラスクラにはあらゆる成長要素に思いつく限り詰め込んだであろう周回パターンが組み込まれていました。それ以外にもシステム面やバトルデザイン等、様々な角度から時間を奪いにかかってくるかのような錯覚をしてしまう要素が大量に詰め込まれています。
私はこのゲームを否定したいわけではありません。ついて行ける限りは続けようとは思っています。いい意味でも悪い意味でも「面白いゲーム」だと思ったので、ラスクラがどんなゲームかを含めてご紹介していきます。
ラスクラとは
2019年4月15日にAIDISよりリリースされたスマホRPGゲーム。総監督(ディレクター)はブレフロやFFBEの開発にも携わった早貸氏という人物で、知っている人はこの時点で悪い予感がしてしまうのではないでしょうか。
キャラクターはドット絵、背景やアーク(装備品のようなもの)はCGで描かれている。ストーリーはボイスつきで、時折CGによる演出も挿入される。
以下、プロデューサーレターより一部抜粋
「ラストクラウディア」は、私たちが“面白い”と思えるRPGの要素を惜しみなく詰め込んだ作品になります。
圧倒的ソウル不足
ゲームを初めてまず最初に感じるのがソウル不足。ソウルには「ブルーソウル」と「レッドソウル」の2種類があり、これが本ゲームのスタミナの役割を果たす。が、このソウルはスタミナとしてだけでなく、後述のアーク育成にも要求されるのである。実際にプレイしてみると慢性的なソウル不足に悩まされ、アーク強化に回せばスタミナが足りない、スタミナに回せばアークが弱すぎてクリアできないという悪循環が常につきまとうこととなる。
ソウルはソウルスポットから一定時間おきに回収できるが、初期状態では全体的なソウル要求量に対してソウル生産量が少なく、極めつけはレッドソウルスポットの強化には大量のブルーソウルを要求してくるという始末。
ソウルを用いて何かを強化するには他の何かを諦める必要があるため、どうやってもスムーズなソウル運用ができない。ソウル周りは全体的に数値が雑に設定されている印象を強く受ける。せめてスタミナとそれ以外は分けて欲しいところである。
てんこ盛りの周回要素
お金集めの周回、素材集めの周回、レベル上げ周回、覚醒素材集めの周回、等々はどのソシャゲにもよくある周回要素であり、当然のようにラスクラにも存在する。
ラスクラの最も凶悪な周回要素は「アーク」である。
アークはレベルをあげると、魔法などのスキルが解放される。しかしこれだけではスキルを使用することはできない。スキルを解放したアークをキャラクターに装備し、クエストを周回させなければならないのである。周回数はスキルによって変わるが、低レベルで解放されるスキルでも10〜30周は要求される。キャラクターが自前で習得するスキルは限られているため、スキルを増やしたい場合はキャラごとに周回させなければならない。
アークのレベルは10まであげることができ、アークごとに4〜6個のスキルが解放される。しかし、序盤はなかなかアークのレベルが上がらず、頑張っても2〜3個ずつしか解放できない。仕方なくその2〜3個のスキルを習得するため周回をするが、ここで習得してもその後アークのレベルが上がり新たなスキルが解放されたら、またそのアークを装備して周回しなければならない。なぜ最初からスキルを全て解放した状態にしないのか不思議でならない。あらゆる手段で周回させてやろうという執念すら感じられる。
ここまでこき下ろしているが、頑張るほどキャラにスキルを覚えさせることができるので、個人的には嫌いでは無かったりする。
アークの周回要素はこれだけではない。
アークにはそれぞれアークエーテルなるものが存在する。アーク入手時は0%となっており、クエスト終了時に装備しているアークのエーテルが確率で0.1%刻みで上がる。
そう、これはおそらく、きっと間違いなく、認めたくはないが、FFBEプレイヤーならば知っているであろうFFBEのトラストマスター(トラマス)システムそのものである。
100%になれば報酬が受け取れるのだが、FFBEではトラスト値が上昇するのは約10%の確率となっていた。アークエーテルもこれと同じだとすると、理論上1万周の周回をしてようやく報酬を得られる事になる。FFBEは1周30秒ほどで済んでいたが、ラスクラはそんなもので終わるのかどうかは非常に怪しい。
しかしながらアークエーテルの性能はなぜかゲーム内で確認する方法はない。性能次第ではこのゲームの命運を分けることになりかねない。FFBEではトラマスの有無で強さに雲泥の差が生じたため、そのゲームバランスを見限って離れていったプレイヤーは少なくない。
ちなみに私はFFBEではトラスト値を貯めるべく15万回以上の周回を既に経験しているため、この程度で見限ったりはしない。
全体的にテンポが悪い
まず気になるのがシステム周りのテンポの悪さ。
ソシャゲといえばリセマラ、ということでリセマラ時はゲームスタート直後のカットシーンを早速スキップしようとするだろう。しかし、なぜかSKIPボタンはグレーアウトして押せないのである。どうやらSKIPできるのは一度見たカットシーンのみのようだ。それならSKIPボタンなんていらないのでは?と思うかもしれないが、一度クリアしたクエストでもカットシーンが流れるため、それをSKIPできる機能のようである。そもそも一度クリアしたクエストなのにカットシーン流すなよという声が聞こえそうだが、今後は初見カットシーンでもSKIPできるように修正されるようなので、それで一旦勘弁してあげて欲しい。
システム関連でもう1点、UIが非常に見辛い。
ただ見辛いだけならまだしも、気づかないとゲームにならないような重要な情報が2、3階層下のメニューを開かないと見えないということがよくある。例えばソウルのストック上限開放だと、ホーム画面からソウルゲージ横にリンクアイコンでもつけてくれれば良いものの、わざわざワールド画面からソウルスポットのメニューを開かないと上限解放へのリンクが開けないのである。そのリンクもなかなかタップが命中しないほど小さな「+」ボタンで、一見すると何のためのボタンなのかすらわからない。当然のようにチュートリアルでの説明もない。
そして一番気になるのが、バトルのテンポの悪さ。
周回必須でありながら、クエストのほとんどが4Wave制となっている。そしてWave毎の最後の敵は倒すと走馬灯でも見えそうなくらいのスローモーションで倒れていく。1Wave毎に走馬灯が見えていたらキリがない。その他にも必殺・超必殺・ブレイク・魔法発動等全てに演出があり、設定を変えてもほとんど飛ばすことができない。しっかり育成をこなせばもしかすると通常攻撃で無双し快適になるのかもしれないが、私の育成ペースだとそこまで到達するのに数年はかかりそうだ。
バトルそのものはレベルが上がってくると面白いが、周回には向かないデザインになってしまっているため、ここは今後の調整に期待したいところである。
細かいところは挙げるとキリがありませんが、今回は特に気になったポイントを紹介しました。
キャラクターや背景のグラフィックスは好きなので、もっと面白いゲームになってくれることを待ち望んでいます。