スクウェア・エニックスはPS4・Nintendo Switch向けに「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター」を2019年に発売することを発表。
15年の時を経て、あの切なくも美しい物語が、リマスターされた映像と様々な追加要素とともに復活します。
私は当時小学生で、マルチ協力プレイの先駆けとなったクリスタルクロニクルの体験を今でも覚えています。
Wii・WiiU・DSでは続編として世界観を共有したシリーズが発売されてはいますが、クリスタルベアラーやエコーズオブタイムはシステムや雰囲気が一新されました。初代クリスタルクロニクルファンとしては「コレジャナイ感」がどうしても否めず、Nintendoの新ハードが発売される度密かに初代の正統進化版を待ち望んでいたので、今回のスクエニの発表は朗報でした。
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クリスタルクロニクルとは?
初代はGCで発売され、マルチプレイをするためには人数分のGBAと拡張用ケーブルが必要でした。それが当時の小学生にはハードルが高く、プレイしたことのない方やソロでプレイしていた方も多いのではないかと思います。
まずは初代クリスタルクロニクルについて知らない方向けに、クリスタルクロニクルについて解説。
世界観
世界は「瘴気」に包まれており、人々は「クリスタル」の力で瘴気から身を守っていました。村には大きなクリスタルがあり、そのクリスタルには村一つを瘴気から守るほどの力がありますが、1年に1度「ミルラの雫」を使ってクリスタルを清めなければクリスタルの力は失われてしまいます。
ミルラの雫を集めるべく、村は「キャラバン」を世界に送り出します。主人公はキャラバンとなりミルラの雫を集め、年に一度村にミルラの雫を持ち帰るのが目的となります。
キャラバン
キャラバンは世界を旅してミルラの雫を集めます。手に入れたミルラの雫は「クリスタルケージ」に貯め、ケージが満タンになると村へ持ち帰ります。
ミルラの雫
世界に点在する「ミルラの木」からミルラの雫を得ることができます。1度ミルラの雫を取ったミルラの木は、新たにミルラの雫を得られるようになるまで数年かかります。村のクリスタルの力を維持するためには、キャラバンは世界各地のミルラの木に立ち寄る必要があります。
クリスタルクロニクルの魅力
語るときりがないのですが、ネタバレにならない程度に抑えます。
切ない世界と物語
瘴気に包まれた世界は人々の生きることのできる場所が限られており、旅の途中で展開されるサブストーリーはその世界観の切なさに拍車をかけます。
そんな世界でも悲しいことばかりではもちろんありません。
プレイヤーには「家族」がおり、旅の先々で家族から手紙が届きます。
仕送りやプレイヤーのことを心配してくれる暖かい内容だったり、親父が屋根から転落した事件の報告だったり、幼い妹からの意味不明な怪文書だったりと様々で、手紙に対する応対によっては家族にも関係性等の変化が現れることもあります。
旅の途中で展開されるサブストーリーには、実は物語の核心に迫る内容が隠されていたりもするので、詳しい内容についてはぜひプレイして確認してみてください。
協力マルチプレイ
初代GC版と同様に、リマスター版でも最大4人でのプレイができ、協力マルチプレイはこのゲームの醍醐味でもあります。オンラインでのマルチプレイにも対応しているので、当時よりも気軽に仲間と冒険することができます。
仲間と協力してダンジョンのギミックを攻略したり、同時に魔法を詠唱して強力な合体魔法を打ち放ったりと、協力するほどに攻略を有利に進めることができるのが魅力の一つです。
ただ、もちろん人間同士の駆け引きが発生することもあり、醜い争いも当然起こります。(これがまた面白く、魅力のひとつでもあるのです)
ダンジョンの攻略時は、クリスタルケージを持ち運んで瘴気から身を守りつつ進む必要があります。ですが、ケージを持つと足が遅くなり、さらに手が塞がっているため道中の宝箱争奪戦が不利になるので誰も持ちたがりません。
ケージの押し付け合いの末、結局誰かが仕方なくケージを持つことになるのですが、そのケージ持ちが今度は逆襲を始めるという珍事が起こります。
ケージを持たないプレイヤーは我先に宝箱を取ってやろうと、クリスタルケージのバリア内のギリギリを走って先行しようとしますが、これに対してケージ持ちは急に進行方向を変えて逆走を始めるんですね。そうすると先行していたプレイヤーは勢い余ってバリアから飛び出るだけでなく画面外にも飛び出してしまい、そのまま迷子になった末に瘴気に蝕まれて死んでしまいます。自分の利益だけを考えているとろくなことになりませんね!
ちなみに死んでもデスペナルティはなく、道中に転がっているレイズを使えば復活させることは容易です。天罰が下ったプレイヤーにケージ持ちがレイズをしてくれるかどうかは別ですが…
個性的な種族
クリスタルクロニクルには4つの種族が存在します。キャラクターメイクではこの4種族から選んでキャラクターを作成します。
クラヴァット
人間に近い外見の種族。戦闘能力は平均的で、剣と盾を扱う。
リルティ
等身が低く小柄な種族。しかしながら攻撃力に秀でており、蛮勇な民族としても知られる。武器は槍。
ユーク
中身のない甲冑。魔法能力に秀でている代わりに防御力が低い。人里離れたところに集落を成しており、村には魔法で動かしている仕掛けが随所にみられる。武器はハンマー。
セルキー
外見は人間に近い。己を第一と考えることを美徳とし、それゆえ生まれながらにして盗賊気質な者が多い種族。攻撃や防御の動きにアクロバットなものが多く、俊敏性が高いことがうかがえる。武器はラケット。
成長システム
装備
種族に対応した武器と防具に加え、胴装備とアクセサリーを装備することができる。装備品はダンジョンで入手したり商人から購入できるほか、鍛冶屋に依頼してレシピと素材から制作することもできる。
アーティファクト
ダンジョンをクリアするとアーティファクトを入手できる。アーティファクトには様々な効果があり、一度入手したものは永続的に効果を発揮し続ける。
攻撃や防御等の戦闘能力を伸ばすものだけでなく、魔法のスロットを増やしたり、ダンジョン突入時から常時特定の魔法を使用可能になるリングシリーズといった特殊なプロパティを持つものが存在する。
ちなみにアーティファクトはダンジョンでの貢献度が高いプレイヤーから先に選ぶことができるため、ここでも当然のように一悶着起こる。
親の職業
キャラクター作成時に親の職業を選択することができる。親の職業にもランクがあり、販売しているアイテムが変わったり、制作できる装備の種類が増えたりする。親の職業ランクを上げないと入手できない最強装備も存在するため、日ごろから手紙のやり取りでは円滑な家族関係を築くことが大切。
ネタバレ防止のためにシステム面での紹介がメインになりましたが、少しでも当時の雰囲気が伝わればと。
リマスター版では追加要素もあるようなので、紹介した内容とは差分は出るかもしれませんのであしからず。
リマスター版の追加要素
こちらは情報が公開され次第更新していきます。
ボイス追加
初代ではナレーション以外のボイスだとモーグリの悲鳴くらいしかありませんでしたが、NPCにアフレコがついたり、作成したキャラにボイスがつくのでしょうか。続報を待ちましょう。
9/26追記
TGS2018の公開生放送で流れた動画ではイベント時のNPCとプレイヤーキャラの合体魔法詠唱時にボイスがついていました。
新エリア追加
公式発表の表現としては「ダンジョンへの新エリア追加」という文言なので、新しいダンジョンが追加されるわけではなく、既存のダンジョンに部屋が追加されるということではないかと思われます。
9/26追記
TGS2018の公開生放送で流れた動画でリバーベル街道の秋バージョンのプレイデモがありました。新エリア追加とは新しいダンジョンが増えるということのようです。原作をプレイした方でも新鮮味を楽しむことができるのはうれしいですね。
オンラインマルチプレイ
オンラインゲームが普及し始めてからクリスタルクロニクルの復活を求める声は大きくなっていましたが、ここにきてようやくといった感じです。
まさか画面を4分割したり、3DSを子機にしてマルチプレイというわけにはいかないので、当然といえば当然ですがオンライン対応はうれしいですね。